卒業式の翌日・・・おかわり

 

「ねぇん・・・、あ・な・た(はあと)」

沙希は甘えたような声で、寝ている俺の耳元で囁く。

俺は沙希と結婚にていた。しい宴は次第に終焉を向かえ、

Jリーガーの方はというと・・・、まぁ可も無く不可も無く・・・というところか。

「なんだい・・・沙希」

同じく横に寝ている沙希の方に身体を向け返事をした。

「もう・・・3年経ったのね・・・私達・・・」

そう、俺達はあの後親の反対を押し切って、半ば駆け落ち同然に結婚した。

彼女は『虹野沙希』から『速水沙希』となっていた。

「ああ・・・そうだな・・・」

沙希は俺の目を見つめながら微笑んでる。

だが、昨夜の俺の攻撃で少し疲れているようだ。

「そろそろ・・・、欲しいな・・・」

何を言いたいのか良く分かる。

沙希との愛の結晶

「子供か?」

分かっているのにワザと聞いてしまう、俺の性格。

「・・・うん」

沙希は照れながらも、返事とともに頷く。

「・・・そうだな」

俺は仰向けに寝返り、天井を見つめながら返事した。

「ああ〜〜ん!!」

(!!)

仰向けになると同時に、二人に掛かっていた毛布が俺の方に寄ってしまった。

毛布の下はお互い裸だったので、寒い思いをさせてしまったようだ。

「ごめんよ」

「ううん・・・いいの・・・それより・・・」

「そろそろ起きないと・・・な!」

沙希の言葉を遮る様に言葉が出た。

別に子供はいいんだが・・・、起きてスタジアムに出かけないと充分な準備運動が出来ない。

「・・・・・・。そうだね・・・ごめんね、わがまま言って」

「試合終わって、帰って来たら・・・な?」

「・・・うん、・・・待ってるわ」

俺は急いで着替え、今日の試合会場でもある『メロンパンドーム』へと向かった。

「・・・あなた、行ってらっしゃい」

「あれ?今日はいつもより、豪華だなぁ」

「うふふ・・・」

沙希はやけに嬉しそうだ。

「何かの記念だっけ?」

俺は沙希との記念の日は全て記憶していた。

出会った日、初めて沙希の手料理を食べた日、婚約した日・・・

色々考えたが、全く分からなかった。

「・・・あのね、・・・おめでただって」

沙希は照れたように言った。

「そうか!!やったな!」

今まで必死に考えていたが、こればっかりは分からなかった。

「いやだぁ・・・やったのは、パパでしょ」

パパ・・・俺もそう言われるようになったんだ。

「あはははは・・・・」

 

 

 

いつまでも歩んでいける・・・きっと二人なら。

どこまでも行けるよ、一緒に手をとって。

 

HAPPY END

 

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